Italian Trend
2024年11月
ペルベッリーニが3つ星レストランの仲間入りを果たす
2024年11月6日(水)北イタリア・モデナのパヴァロッティ劇場で「ミシュラン・イタリア2025」の発表会が行われた。モデナを代表する世界的歌手に捧げられたこの劇場は内装が素晴らしく、普段はオペラやコンサートに使用されているが、この日の主役はイタリア全土から駆けつけたシェフたちだった。セレモニーでは1つ星、 2つ星と順番に発表されハイライトとなったのは最後に13人の3つ星シェフがステージに登壇し、新たに3つ星シェフとなったジャンカルロ・ペルベッリーニを迎えた時だった。ペルベッリーニはすでにイタリアを代表するシェフとして長く活躍し、今年で60歳となったベテランシェフだ。壇上でのスピーチでペルベッリーニは14歳で料理人の道を選び、フランス修行時代は多くの3つ星レストランを食べ歩いたが、まさか自分が3つ星になるとはその頃考えてもいなかったと涙ながらにスピーチし、観客の涙を誘った。
ヴェローナにある彼のレストラン「カーサ・ペルベッリーニ・ドディチ・アポストリ・ア・ヴェローナ 」は現在3つのコースを提供しているが、老舗菓子店の生まれらしく魚や肉と組み合わせたワッフルなど、ドルチェと料理の境界線を超えたドルチェ・サラートの料理が特徴であり、3つ星店には珍しくベジタリアン・グルテンフリーのコースも用意しているのが特徴でもある。ペルベッリーニの代表的なパスタに南イタリアの味を彷彿とさせる「マグロのスパゲッティ」や冷製の「スパゲッティ・サラダ」などがあるが、グルテンフリーメニューでは「大豆、アーモンド、生姜の大根スパゲッティ」など日本でも参考になる興味深いメニューもあるので、ヴェローナを訪れた際は是非試してみてほしい。
5種のパスタを出す「プリモパッソ」が1つ星に輝く
一方「ミシュラン東京2025」では例年同様イタリア料理界の新しい話題は少なかったが、唯一1つ星となったのは昨年新富町にオープンしたばかりの「プリモパッソ」だ。32歳の若きシェフ、藤岡智之シェフは南イタリアの3つ星「クアットロパッシ」でパスタ担当として活躍した後に帰国。店名に「プリモパッソ」と名づけたのは修行先の店名に敬意を表し、初心を忘れないよう「初めの一歩」を意味するイタリア語を選んだからだ。
同店ではコースメニュー11品のうち、5品がパスタというイタリア料理色の濃い構成。全て小ポーションなので全部で120〜130gと軽く、11月のITALIAN WEEK 100期間中は発酵メニューとして「トルテッロ 冬瓜 水牛モッツァレッラ」がメニューオン。野菜を発酵させてうまみを抽出したエキスに鶏や生ハムの出汁を合わせたブロードと豚肉を詰めたトルテッリーニは北イタリアの代表的な冬の手打ちパスタ。一口味わえば心も体も温まるはずだ。
Photo&Text MASAKATSU IKEDA (ITALIAN WEEK 100 Director)